アレンジ・編曲で重要なことは、曲の全体像が見えている状態で、始めることです。
そのために、曲の構成を先に決めてしまいます。
構成を学習するのには、どんなパターンがあるのかを、プロの曲から学んで、知識に入れましょう。
作曲の順番
まず、最初に曲をどこから作れば良いのか?というと、「サビ」から作りましょう。
ギターリストが作曲すると、イントロがものすごくカッコ良いのに、歌に入った瞬間にズッコケます。
曲で一番聞かせたいの「サビ」なので、「サビ」をメインに、力を注ぎましょう。
サビを引き立たせるために、「Aメロ」や「Bメロ」を作って行きます。
サビは歌えるけど、「Aメロ」が覚えられなかったり、印象がうすい曲があると思いますが、「サビ」から作っているのというがわかります。
邦楽の曲は「Bメロ」があるものが多いですが、洋楽は「Bメロ」がないものもあります。
「Bメロ」代わりに、サビの後に「Cメロ」が来ることが多いです。
サビができたら、曲の全体の構成を作って行きます。
▼関連記事▼
「知識ゼロから始める作曲」
サビのメロディーの作り方
サビから作ることはわかっても、どのメロディーが「サビ」になるかが、わからないと思います。
邦楽では、「サビ」と呼んでいますが、洋楽では、サビのことを「コーラス」と言います。
コーラスは、「みんなで大合唱しましょう!」という意味です。
ステージに立っている自分をイメージして、自分の作った曲で、会場にいるたくさんのお客さんと「サビ」を大合唱しているイメージができれば、その作ったメロディーは「サビ」になれます。
ポイントは、みんなでそのメロディーが「歌えるのか?」「歌いやすいか?」です。
編曲の学習方法
編曲をする上での第一歩は、曲の構成にあります。
曲の構成とは、「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ」という曲の流れをブロックごとに分けて、書き表していくことです。
作曲の初心者が曲の構成を作ると、盛り上がりがなかったり、なんの面白みもない、平凡な構成になってしまいます。
そこで、自分の好きな曲や、プロが作った楽曲を分析して、構成図のパターンを色々と勉強しましょう。
参考曲を聴きながら、
イントロ→Aメロ→A’メロ→Bメロ→サビ→間奏→Bメロ→サビ→Cメロ→アウトロ
という風に曲の構成を書いて行きます。
慣れてくると、1回聞いただけで、構成図が作れますが、最初は何度も繰り返し聞いて、構成図を完成させてください。
ポイントは、ただ「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ」という順番を書いていくことではありません。
例えば、イントロは、「激し目、16小節、ドラム、ベース、ギター、シンセ」など、「小節数」「使っている楽器の種類」と、聞き取れたことや感じ取れたことをどんどんメモって行きます。
「1回目のAメロはギターのアルペジオ、2回目のAメロからドラム、ベースが大人し目に入っている。」など、どんどん言語化していきましょう。
こういう聞き取る癖を付けて行くと、無意識になんとなくしか、曲を聞いていなかったことに気付けます。
いろんな仕掛けがわかるようになって、「プロってすげぇ」ってなります。
どういうことに気付くかというと、例えば、
「AメロとBメロは、マイナーキーで、サビでメジャーキーに変わっていた。」
「Aメロはオンコードを使っているベースラインが多い」
「サビで転調している」
「ギターソロはマイナーキーになっていた」
「間奏はAメロのコード進行を使っている」
「1回目のサビが終わって次のAメロからずっと転調したまま」
など、普通に聞いているだけでは、気付けないことが気付けます。
曲の構成を分析する作業を繰り返して行くと、コード進行の使い方がわかったり、作曲のやり方も、変わって行きます。
曲で一番盛り上がる場所は…
曲の構成図が出来上がると、どこにどんなアレンジをしようか、見えてきます。
その中で一番重要なポイントは、「どこのサビを一番盛り上げるか?」ということです。
たくさんの曲を分析すれば、気付けますが、曲の最後の方のサビが、一番盛り上がるように、アレンジされています。
「サビ→サビ」と曲の最後の方のサビを繰り返していても、先のサビは、静か目でその後のサビのアレンジが一番盛り上がるようになっていたりします。
よくある、アレンジが勿体ないと思う曲は、イントロが盛り上がり過ぎてしまって、どこがサビだったかわからないような、サビの印象が薄い曲です。
作曲の手順は、コード進行を作ってから、メロディーを乗せて行く方法が簡単です。
本来、メロディーから作っても、歌詞から書いても、どこから手を付けても自由ですが、作曲初心者は、コード進行を作ってから、メロディーを付けて見ましょう。
曲の良し悪しは、編曲・アレンジにあります。
起伏も、緩急もないアレンジは、聞いていて退屈です。
「盛り上げたら、次は大人し目にする」という繰り返しで、曲に物語性ができてきます。
曲の編曲・アレンジのやり方
曲の構成図が完成したら、編曲・アレンジを実践していきましょう。
まず一番最初に決めるのは、曲のテンポです。
メロディーを作るときにも、まずテンポは決めておいた方が作りやすいです。
テンポは「BPM」と書き表すこともあります。
DTMの環境が揃っていて、打ち込みができると、テンポマップを入力するだけですが、DTMがない人は、メトロノームを使ってテンポを確認して、決めましょう。
スマホのアプリにも、メトロノームのアプリはあります。
テンポが決まったら、次に重要なのは、リズムパターンです。
「リズムパターンの違い」が「ジャンルの違い」と言っても過言ではありません。
ポップス曲を「メタル」や「ボサノバ」や「ジャズ」にアレンジするとしたら、まずは、リズムパターンを変えることで、それっぽく聞こえます。
アコギ1本でアレンジするなら、カッティングのパターンを決めます。
バンドアレンジだったら、ドラムパターンを決めます。
ドラムパターンは、「8ビート」「16ビート」など「ビート」の選択から始まります。
その上で、バスドラのパターンの違いが、リズムパターンの違いとも言えるので、バスドラのパターンは重要になってきます。
その次に、ベースのアレンジをして行きます。
ベースのアレンジも曲の雰囲気を決める、大事な要素です。
ベースは、単純なことをしてないような気がしてしまいますが、バンドではベーシストが変わるだけで、曲の感じがガラッと変わります。
もちろん、ベースの音色も雰囲気に関わります。
次に、「うわもの」と呼ばれる、ギター、キーボード・シンセのアレンジをして行きます。
キーボード・シンセがあれば、いろんな音が出せます。
使いたい楽器の編成を決めましょう。
この時のポイントは、バンドで例えると、ギターとキーボードが足して1になるようにアレンジします。
どういうことかと言うと、「ギターが前に出ていたら、キーボードは控え目で、キーボードが目立っていたら、ギターは控え目にする」ということです。
メロディーが埋れないように、アレンジするもの重要です。
バンドを組んでいる方は、バンドメンバーそれぞれにアレンジを任せると、ぐっちゃぐっちゃになることがあります。
レコーディングをしてみて、よーく聞いてみたら、「音がぶつかっていた」と気付いて、それから、「レコーディングスタジオで、また、アレンジをし直す」という風景はよく観ます。
できれば、アレンジは一人に任せきった方が、曲の完成度は高くなります。
歌詞はいつ書き始めればよいのか?
曲を先に作るのを「曲先」、詞を先に書くのを「詞先」と言います。
作曲初心者は、「曲先」から作曲のやり方を掴んだ方が良いです。
曲先で慣れて行って、言いたいことが書けないとなった時に、詞先に挑戦してみるのも良いと思います。
どの段階で歌詞を書き始めれば良いかというと、曲の構成ができて、アレンジも終わってからで、良いでしょう。
アレンジによって、曲の一番盛り上がるところに、歌詞で一番言いたいところを持って行かなければ、もったいないです。
曲のインスピレーションから、歌詞が浮かぶこともあります。
歌詞は曲のアレンジが終わってからでも、良いです。
詞先の作り方
詞先の作り方も知っておいた方が良いでしょう。
演歌など詞を大事にしている曲は、詞先が多いです。
詞が先にできた場合は、詞にメロディーを付けて行きます。
詞先の良いところは、文字数を気にせずに言いたいことが書けます。
不自然なイントネーションになることも減ります。
詞に先に有って、それに、メロディーを付けると、独特なメロディーができます。
詞先の曲のアレンジの仕方は、BGMを作るように、アレンジで緩急を付けます。
SE(効果音)を付けるような感じとも言えます。
朗読に雰囲気をつけるために、曲・BGMがあるような感じです。
そうすると、コード進行が当てはまれば良いのですが、難しいので、リフやSEやPAD系の音色で雰囲気を作って行きましょう。
作曲と編曲の違い
ここまで来れば、作曲と編曲の違いがわかると思いますが、作曲はメロディーを作ることを言います。
ただ、作曲初心者がメロディーだけを作るのは難しいので、コード進行を作ってからの方が、メロディーが作りやすいです。
メロディーができてしまえば、コード進行はいくらでも、変更ができます。
つまり、コード進行も編曲・アレンジによって、変わることがあります。
作曲は
・メロディーを作ること
編曲・アレンジは
・コード進行
・ジャンル決め
・リズムパターン
・曲の構成
・楽器の編成決め
・ハーモニー・アンサンブルを作りこむこと
となりますが、ポップスやロックの場合は、コードも作曲に入ることがあります。
作詞と作曲どっちが難しいのか?
レストランで例えると、ホールと厨房どっちが難しいのか?という質問に似ています。
本や小説、映画などが好きな方は作詞に向いているかも知れません。
楽器が好きな方は、作曲に向いています。
作曲は分析を繰り返し、努力でセンスは付けられるようになりますが、作詞は努力だけでは、上手く行かない世界です。
日本語の読み方ができるからといって、小説が書けないのと同じです。
独特の言葉のチョイスは、やはり、センスが必要です。
レストランで、厨房の方は、レシピを観れば、同じように味を再現できますが、ホールの方は、同じように接客してみようと思っても、なかなか再現できないです。
作詞と作曲、どちらが難しいのか?と、あえて答えるなら、「作詞」です。
得意不得意がはっきりと分かれます。
まとめ
編曲・アレンジを学習するには、自分の好きな曲やプロが作った曲を分析して、参考にしましょう。
曲の構成図を作って、どこを一番盛り上げるか決めましょう。
テンポとリズムパターンを決めましょう。
ドラム、ベースのアレンジをしてから、うわもの(ギター・キーボード・シンセなど)のアレンジをしましょう。
曲のアレンジが完成してから、歌詞を付けましょう。
この順番で1曲完成できることができます。
コメント