音楽の知識がゼロだったら、何から始めれば良いのか?
音楽理論は必要なのか?
独学で良いのか?
習いに行った方が良いのか?
どういう順番で作って行けば良いのか?
必要な楽器や機材はあるのか?などの疑問に答えて行きます。
作曲とは何か?
作曲とは、旋律・メロディーを作ることを言います。
子供のころ、友達の名前を呼ぶのに、いろんなイントネーションで呼んだことがあると思いますが、これも、立派なメロディーの作曲です。
かくれんぼで遊んでて「もういいかい?」というフレーズにメロディーがありますが、このくらいの短さでも、メロディーに聞こえます。
短いフレーズと言えば、TVCMですが、商品名や企業名にメロディーをつけて、覚えやすくキャッチーにして、親しまれているメロディーもあります。
ですが、今回は一般的なロックやポップスのボーカルのある曲が作れるようになるまでの知識と全体図を解説します。
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作曲はメロディー・ハーモニー・リズムを作る
音楽の三要素はメロディー・ハーモニー・リズムです。
この3つ性質を持つものを西洋音楽では、音楽としています。
歌がメロディーで、楽器隊が奏でているのが、ハーモニーとリズムです。
ハーモニーとリズムを色々と変化させることを、編曲・アレンジと言います。
メロディーは「ド」と「レ」などの2つの音があれば、簡単にできてしまいます。
「ド」と「レ」だけでも十分なメロディーは作れるということです。
それに加わるハーモニーとリズムが変わると、メロディーの感じが変わります。
編曲・アレンジが作曲よりも難しいです。
楽曲の良し悪しを決めるのは、編曲・アレンジということは覚えておきましょう!
作曲に必要なもの
作曲に必要なものは、楽器と紙とえんぴつです。
紙は五線譜を用意しましょう。
えんぴつは2Bぐらいの、色の濃いえんぴつが書きやすいです。
小学生時、音楽の授業で楽譜を写し書きしたと、思います。
その時に、四分音符や八分音符の黒丸を塗りつぶしていたと思います。
作曲の時に書く楽譜は、スピードが命です。
流暢に黒丸を塗りつぶしていたら、せっかく浮かんできたメロディーが消えてしまいます。
清書は、後ですれば良いだけですので、素早くきれいに書けるように、色の濃いえんぴつをつかいましょう!
楽譜が書けないと、たくさん曲をできた時に、後で思い出すのが大変です。
自分で作曲したメロディーの音の高さや、音の長さを楽譜に書いていくのは、最初は大変ですが、慣れれば、すぐにわかるようになります。
DTMを使って、作曲を考えている人も、音の高さや長さがわからないと、MIDIで打ち込めません。
ところが、楽譜が全く書けないプロの作曲家もいます。
そういう人は、歌で全部覚えてたり、キーボードでメロディーを全部弾けたりします。
才能がある人は、そういうこともできますが、逸材ですので、マネをしたくてもマネができないので、楽譜が書けるように努力しましょう!
作曲におすすめの楽器
作曲に必要な楽器は、コード楽器とも呼ばれる、ギターかキーボードです。
作曲に使う楽器の特色と特徴
・アコギ(アコースティックギター)は、ソロシンガーや爽やかな楽曲を作りたい人向きです。
自分が普段聞いている音楽や好きなアーティストのスタイルを真似しましょう。
・エレキーギターはバンド向きです。
使っている楽器の音色によって、インスピレーションが変わってきます。
ロック系の曲を作りたいときは、パワーコードやギターリフを作ってからの方がメロディーが乗せやすいです。
・ピアノはバラード向きです。
ギターはアップダウンのカッティングができるため、いろんなバリエーションのリズムが奏でられますが、ピアノはダウンしかないので、リズムパターンが決まって来てしまいます。
そのため、穏やかなリズムパターンになることが多く、バラードに向いてます。
・キーボードはオールマイティーです。
ピアノは生ピアノのことを指し、キーボードは電子楽器のことを指しています。
電子楽器で、音源が入っているキーボードは、いろんな音が出せるので、使いこなせれば、作曲の幅は広がります。
まとめると、好きなアーティストを真似たり、作りたい曲によって、楽器は持ち替えれば良いと思います。
演奏する時は、ピアノだけど、ギターで作らないと、アップテンポな曲が作れないという作曲家もいます。
コード進行から作るのか?メロディーから作るのか?の順番
作曲初心者におすすめするのは、コード進行を作ってからの作曲です。
テンポが決まって、楽器の編成も決まって、その決まったテンポと楽器のコード進行を鳴らしているのを聞いているだけで、メロディーが浮かんできやすいです。
コード進行からメロディーが作れるようになって、思い通りの作曲ができるようになってきたら、メロディーから作曲に挑戦するもの良いです。
DTMで、メロディーがあれば、自動でコード進行を作ってくれるものも、ありますが、イメージ通りになることは、あまりないので、自分でコード進行を作れた方が良いです。
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「コード進行の使い方」
作曲に音楽理論は必要か?
音楽理論をどんなに勉強しても、作曲できない人はできません。
これは、国語で言うと文法に似ています。
文章を書くための文法を知っているからと言って、小説がかけるようになるか?と言えば、難しいと思います。
音楽理論を覚えることのメリットとしては、アレンジや作曲のテクニックの向上が期待できます。
それと、ネタ切れをした時に、新しいネタとして、使ったことのないコード進行が使えます。
最低限必要な音楽理論は、楽譜が読めることと、コードが理解できることぐらいです。
作りたい曲のイメージが完成していれば、当てずっぽうでコードを作って完成させてしまう、センスのある努力家もいます。
長い目で見れば、音楽理論は、必要ですが、初めての1曲目を作るのには、ダイアトニックコードを知っていれば、作曲できます。
ダイアトニックコードとは
C (読み方※以下略 シー)
(ド、ミ、ソ)
Dm (ディーマイナー)
(レ、ファ、ラ)
Em (イーマイナー)
(ミ、ソ、シ)
F (エフ)
(ファ、ラ、ド)
G (ジー)
(ソ、シ、レ)
Am (エーマイナー)
(ラ、ド、ミ)
Bm(♭5) (ビーマイナーフラットファイブ)
(シ、レ、ファ)
というコードが7つあります。
これを、ダイアトニックコードと呼びます。
CはCとしてか書いていませんが、正式にはCメジャーです。
Cメジャーと呼ぶと、Cメジャースケールのことを指すので、略してCと呼んでいます。
Cの次のDmですが、小文字のmはマイナーと呼びます。
このマイナーとついているコードは、メジャーコードと比べて、暗い響きがします。
メジャーコードとマイナーコードの違いは、3和音の真ん中の音にあります。
コードのCで例えるとわかりやすいかも知れません。
コードCは「ドミソ」でコードCmは「ドミ♭ソ」となります。
マイナーコードは、メジャーコードの真ん中の音が半音低くなります。
コード進行とは?
C - F - G - C のようなことを言います。
コードには、トニック、サブドミナント、ドミナントという役割の名前がついています。
ざっくり説明すると、コードの音の成分によって、落ち着いて聞こえたり、不安定に聞こえてきます。
その性質が、コード進行だけでも、よいハーモニーを生み出し、物語を作ってくれます。
音楽理論は、このトニック、サブドミナント、ドミナント、の流れのルールを学ぶ感じです。
ドミナントの次はトニックで解決すると、「コードの流れが終わったように聞こえますよ。」ということを教えてくれます。
ですが、耳が良ければ、音楽理論・コード理論を知らなくても、自然と流れのよいコード進行を選んで行きます。
まずは、定番のコード進行を使って、メロディーを乗せる訓練をした方が良いです。
作曲は独学が良いのか?習った方が良いのか?
個人的な話をすると、私は先生について、作曲ができるようになりました。
ですが、高校生の時に、軽音楽の友人たちは、独学で何曲も作っていました。
この時に、「なんて自分には才能がないんだろう。」と落ち込んだ記憶があります。
独学でセンスの良い人は、「適当にコード進行を作って、なんとなくメロディーを乗せて行ったら、1曲完成していた。」という感じに、遊びながら何曲も作って行きます。
定番のコード進行を弾いても、「何もメロディーが浮かばなかった。」という人で、「絶対に1曲は作ってみたい。」という願望があるであれば、先生を見つけて、どこでつまづいているのか見てもらった方が、良いです。
案外、メロディーは作れてはいるんだけど、自分では「このメロディーは認められないだけ」という可能性もあります。
ロック系の曲は、リズムが重視されるので、2つの音で「ラララソ・ララ」ぐらいの単純なメロディーでも、アレンジ次第では、カッコよく聞こえます。
何曲も作れるようになると、わかりますが、曲の良し悪しは、アレンジ次第です。
とりあえずのコード進行と、とりあえずのメロディーでがんばって、アレンジを仕上げてしまえば、意外と自分好みの曲になることもあります。
最後まで、作り切る忍耐力は重要です。
作曲は音楽理論の本を読んだだけで理解できるのか?
作曲の先生につくまでは、音楽理論の本を何冊か漁りましたが、ジャズ系の人向きだったり、自分とは関係のないジャンルの音楽理論の本を読んでも、どこでどう役に立つのか全く理解はできませんでした。
実際に、先生に、いろんなコード進行で、「こういうことができる」というのを、間近で見せてもらって、初めて音楽理論を理解できるようになります。
音楽理論は、ことわざのようなもので、ことわざだけ知っていても、「二階から目薬って、いつ使うんだよ。」と突っ込みを入れたくなるものが多いです。
音楽理論は、話術の長けた人が、ことわざを使っている場面に出くわして、初めて、「こういう時に使うんだ」と感心するようなものです。
子供が、言葉を覚えるのに、ことわざから覚えないように、音楽理論は作曲ができるようになってから、読んで見ると、役に立ちます。
作曲の基礎
4小節ぐらいの定番のコード進行にメロディーが乗せられるようになったら、ボーカル曲をまるまる1曲作ってみましょう。
曲を作るときは、サビから作ります。
Aメロから作り始めて、Aメロが盛り上がりすぎてしまい、サビで盛り上がらずにズッコケることがあります。
曲で一番聞いてもらいたいところがサビなので、サビから作りましょう!
そして、そのサビを徐々に盛り上げていくために、AメロやBメロがあります。
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「作曲の構成の順番」
1曲作るのにどのくらい時間がかかるのか?
どこまでを一曲とするか?ですが、1コーラス分のコード進行とAメロBメロサビぐらいでしたら、プロの作曲家は30分ぐらいで作ります。
メロディーは先にできていて、コード進行の組み合わせや調整に時間がかかります。
ただ、アレンジにはもっと時間がかかります。
例外として、即興で作曲するのが得意な方は、アレンジを含めて30分ぐらいで1曲完成させてしまいます。
即興で作った曲は、その場限りで終わってしまうことが多いので、まずは、じっくりと時間をかけて、納得行くまで、作った方が上達します。
メロディーは、一つフレーズが決まってしまえば、コール・アンド・レスポンスのように、掛け合いで作って行きます。
かくれんぼの「も~ういいかい?」「まぁ~だ、だよ!」という感じの掛け合いのメロディーです。
究極なことを言ってしまえば、オリジナルな鼻歌を録音していておいて、楽譜に起こせば、どんどん曲は出来て行きます。
問題は、軽く作った鼻歌レベルのものでも、他人に聞かせられるのか?という覚悟です。
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「ネタ切れを起こさないためのコード進行パターン」
作曲にDTMは必要か?
DTMとは、パソコンで作る音楽のことです。
MIDIというデータを入力して、自動演奏させたり、オーディオインターフェースという機材を使って、生歌やギターなどの楽器を録音したり、編集から完成まで、全部できてしまいます。
DTMは全部機材を揃えようと思えば、かなりな費用がかかります。
軽くでも、曲を作る程度だったら、スタンダードなグレードのDAWのソフトでも問題ありません。
DTMは、操作を覚えるまで時間と知識が必要です。
先にDTMをやっている、兄弟や友人がいて、わからなくなったら、すぐに聞ける環境であれば、一連の流れはつかみやすいです。
作曲も1曲も完成がしたことがないけど、DTMの購入を考えている人は、1曲、紙とえんぴつだけでも、できるようになったら、購入を考えても良いと思います。
DTMの操作を覚えるのも一苦労します。
まとめ
作曲は何から始めれば良いのか?というと、メロディーを作るところから始まります。
メロディーを作るために、コード進行を聞きながらメロディーを作った方が、作曲初心者はやりやすいです。
コード進行を知るためには、音楽理論の知識があった方が、理解できやすいですし、コードの変更も簡単にできるようになります。
ギターかピアノの楽器が弾けた方が、イメージした曲が作りやすくなります。
できた曲を残すためには、録音だけですと、時間が経つとコード進行など忘れてしまい、思い出すのに時間がかかります。
コード進行とメロディーを楽譜に書き残すために、楽譜の読み方や書き方の知識が必要です。
まずは、4小節で4つのコードを使ったコード進行を作り、メロディーを作る訓練をしましょう。
コード進行を聞いてメロディーが浮かんできたり、書き残せるようになって、自信がついたら、1曲完成できるように取り掛かりましょう!
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