作詞のネタがなくなった時に、役立つ情報を書きました。
小手先のテクニックにならないように、本質を捉えながら作詞をしてみて下さい。
テーマを2つ作る
作詞をする時に、テーマがあった方が、書きやすいです。
作詞に行き詰ったら、テーマを2つに増やしてみましょう。
大きく、「大テーマ」と「小テーマ」という感じでも良いです。
大テーマは定番の、「恋愛」「夢・願望」などです。
小テーマは、何でも良いです。
季節感があったり、食べ物であったり、移り変わったり、変化がわかりやすいものが、作詞に使えます。
例えば、大テーマは「恋愛」で、小テーマは、食べ物で「プリン」を持ってきたとします。
プリンのイメージと恋愛を合わせて行くと、面白い歌詞ができます。
プリンのイメージは、「甘い」「2層になっている」「ぷるぷる震える」「冷蔵庫に入れて置いたら誰かに食べられた」という感じです。
- プリンのように甘い君
- プリンのように君の心は2層構造
- プリンのようにぷるぷる震えていたね
- プリンのように大事にしまっていたら誰かに持っていかれた
など、違う特徴のものを掛け合わせて考えると、面白い歌詞ができてきます。
季節感で言えば、「桜」や「クリスマスツリー」などです。
自分の寂しさを表現するのに、桜の散っていく様や、クリスマスツリーで彩られていた部屋が、クリスマスが終わって、部屋が寂しくなった様を表現できます。
異なる2つものを組み合わせると、面白い化学反応が起こります。
月の満ち欠け、曜日、学生から社会人などの移り変わり、夜から朝の変化、コーヒーが冷めて行く様子、料理が冷めて行く様子、など時間の変化がわかりやすいものも表現として使えます。
使い方は、Aメロは通常の状態を書いておいて、サビに変化した様子を書き表したりします。
逆に、ずっと変わらないものの象徴を使って、「僕のこころは変わらない」と表現するのもありです。
1番目の歌詞と2番目の歌詞で、小テーマが変わって、1曲でテーマが2つ以上になるのもありです。
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作詞のコツとテーマの見つけ方
無限に自分の言葉で歌詞を書く方法
自分の言葉とは、どういうことかというと、ネットで調べたり、辞書を引かないで、自分の中から出てくる言葉を選んで行くということです。
大テーマが決まったら、「しりとり」をして行きます。
しりとりは、自分の知っている言葉しか出てきません。
しりとりを始める言葉は何から始めても良いですし、何度でもやり直して良いです。
この時に、メモを取ることは忘れないでください。
しりとりで遊ぶことが目的ではないです。
自分の中の引き出しを開ける作業を、しりとりでして行きます。
例えば、大テーマが「夢」だったら、「夢」からしりとりを始めてみます。
テーマに沿った言葉を選ぶことがポイントです。
ルールとしては「ん」で終わっても、気にせずに続けることです。
「ん」の一文字前から続けましょう。
夢 →メッセージ →時間(「ん」で終わっているが「か」から次は始める) → 感情 → 海 → 見方 → 旅 → 微熱 → つかむ → 無理 → 理解者 → 夜想 → 浮かぶ → 武器 → 喫茶店(「ん」で終わっているが「て」から次は始める) → てるてる坊主 → 頭蓋骨 → 爪痕………
など、続けて行きます。
50音表を見て行って、「あ」から順に頭文字と繋げると早く言葉が見つかります。
この中から小テーマを決めても良いです。
落語家にお題を3つ言って、話をつくるように、3つ出てきた言葉を選んで物語を作って行くのもありです。
次にテーマに沿った言葉がたくさん出てきたら、その言葉のイメージを連想ゲームのように、どんどん付け加えて行きます。
似て言葉を探していくのでも良いです。
例えば、「メッセージ」だったら、アドバイス、親や先祖から言い伝え、気付く、SNSなど、「〇〇と言えば?」と質問をしていって、出てくる言葉どんどん書き留めて行きます。
出てきた言葉に、メロディーに当てはめて行くと、テーマは外れていないので、わかるようなわからないような、芸術性の高い歌詞が書けます。
登場人物を設定して小説・物語を書いて行く
登場人物のキャラクター設定を細かくしていくと、頭の中で、アバターができて、物語がどんどん進んでいきます。
登場人物の、出身、年齢、性別、身長、体重、髪形、見た目、ファッションセンス、歩き方、話し方、交友関係、職業、など、プロフィールを作って行きます。
たくさん歌詞を書いて行くと、自分が常に主人公の登場人物だと、すぐにネタが尽きて行きます。
やり方は、その登場人物と大テーマを照らし合わせて、物語を小説のように書いて行きます。
そうすると、イメージがどんどん膨らんで行くので、「このキャラクターはこういう場所で、こういう発想をして、こういう行動をする」など、ネタに困らなくなります。
「5W1H」に当てはめて、「いつ?」「誰が?」「どこで?」「なにを?」「なぜ?」「どのように?」と質問していきます。
楽曲が先にあって、その曲のイメージが映画化されていることもありえるので、歌詞は、物語を凝縮したものという感じで書くのも一つの手です。
漫画やアニメの主人公のテーマをソングを作って行くイメージにも近いと思います。
サビは同じ言葉を何度も繰り返す
サビで同じ言葉を2回繰り返したり、何度も繰り返すことはよくあります。
例えば、
- 違う違う
- ゆれてゆれて
- さよならさよなら
- 愛している愛している
- わからないわからない
- やめてやめて
- さくらさくら
- 泣いて泣いて
など、2回同じ言葉を連続して行くと、その言葉の印象が強くなります。
何度も繰り返す場合は、ロック系の曲なら、ライブでみんなで合唱できるので、盛り上がります。
その言葉をタイトルにするアーティストも多いです。
文字数が足りない時は
良い歌詞が書けているのに、メロディーと文字数が合わない時があります。
そういう時は、「Ah~」や「Oh~」や「Uh~」などで隙間を埋めて行くと、曲のイメージを崩さずに歌詞が書けます。
「ラララ」などの言葉もよく使われます。
一文字で、「えぇぇ~えぇ~え~」などメロディーラインを埋めて行くと、演歌や民謡のようになるので、ポップスやロックの場合は、避けた方が良いです。
でたらめに歌ってから清書していく
このやり方は、録音機材がないとできません。
メロディーのイメージのまま、でたらめの英語で歌ってみたり、でたらめの日本語で歌ってみて、偶発性を狙っていきます。
即興性が高いので、現代アートっぽい感じになります。
やり方は、メロディーラインは、覚えておいて、メロディーに合ったイントネーションを大事にして、録音して、埋めて行く作業です。
メロディーにあった「ううえあおおうあ~」など「母音」だけでも良いです。
ただ、これを他人に聞かれると、めちゃくちゃ恥ずかしいと思います。
初めて聞いた曲を、ヘッドフォンをしながら自分の部屋で聞いていて、歌詞がわからないから適当に歌い、歌い終わってヘッドフォンを外して後ろを振り返ったら、親が笑いながら立っていた。というぐらい恥ずかしいです。
他人に聞かれたくない場合は、部屋にカギをかけるか、音楽スタジオで思いっきり歌いましょう。
でたらめの英語のときは、空耳アワーのように、空耳を日本語に変換していきます。
「てにをは」を意識して使い分ける
日本語は、「てにをは」で言葉の矢印を自然と無意識で感じ取っています。
英語の場合、「I LOVE you」といった場合、自分から発信で、動詞を言って、目的語に到着します。
直訳すると、「私 → 愛している → あなたを」いう感じです。
「僕が」という時は、自分から発信で、「僕に」となったときは、どこからか違う場所からの発信になります。
「君から」と「僕に」は言葉の矢印の方向が似ています。
「僕でいいの?」「僕がいいの?」というと、評価の目線が違います。
1番歌詞と2番歌詞を書くときに、「てにをは」を意識して、言葉の矢印が見えると、同じことを言っていても、シチュエーションが違うように表現できます。
倒置法を使う
良い歌詞が書けたのに、メロディーに当てはまらない時があります。
そんな時は、倒置法で文法をいじってみましょう。
「僕は泣いた」を倒置法で言いかえると、「泣いていた僕」など変換ができます。
「あの頃は笑っていた」が「笑っていたあの頃」などに、なります。
「笑う」という言葉を言い表すのに、「笑顔」「にやける」「はっはっはっ」など、表現しても、「笑っている」様子は描けます。
メロディーとの兼ね合いで、他の言葉に変えたくなかったり、言葉のニュアンスを変えたくな場合は、倒置法を使ってみて下さい。
音を伸ばすメロディーは母音を意識する
サビに入る前や、サビの最後の音を伸ばすことがあります。
その時の母音は結構重要です。
音の高さによっては、出しづらくなります。
力強く音を伸ばしたいときは「え」が母音のだと、発声がしやすいです。
自分の好きな曲のロングトーンの部分の母音を分析してみると、偏りが発見できます。
母音が「う」は口を閉じ気味に発生するので、メロディーが一番盛り上がって高い音のロングトーンに向いてないので、「う」だけは避けた方がよさそうです。
「ありがとう」というフレーズもありますが、最後の「う」を伸ばすというより方は、「と」の母音の「お」がロングトーンに来ることがあります。
「ありがとお~ぅ」という感じですね。
韻を踏む
韻を踏むとは、2つの言葉の母音を合わせて行くことです。
「ダジャレっぽい」ということで、韻を踏むのを嫌うアーティストもいます。
例えば、英語で「ギターリスト」と「スペシャリスト」、「ストーリー」と「オンリー」など、見つけて行きます。
日本語と英語で、韻を踏むのもありです。
使い方は、1行目と2行目で韻を踏んでも良いですし、1番歌詞と2番歌詞で韻を踏んでも良いです。
2番歌詞が書けない時は、1番の歌詞の韻を踏んで、言葉探してみましょう。
似た言葉を探す方法
例えば、「暑い」という表現をしたいときに、メロディーに合わなかったり、歌詞全体の雰囲気に合わなかったりする時があります。
そんな時は、類義語辞典で「暑い」と調べて、似たような表現を探していきます。
ムンムンする ・ 蒸し暑い ・ 蒸れている ・ ムシムシしている ・ 茹だるような ・ ムンムンとする ・ ムシムシする ・ 炎天下の ・ 猛暑の ・ ムシムシした ・ じっとりしている ・ じっとりとした ・ 蒸し風呂のような ・ 暑苦しい ・ ホットな
など、色々と出てきます。
その中で、歌詞には「暑い」とするよりは、「炎天下」の方がかっこいいと、なればその言葉を採用していきます。
単純で、言い慣れた言葉も類義語辞典で調べてみると、いろんな表現方法に気が付き、語彙力も上がって行きます。
オノマトペを使う
オノマトペとは「擬音語」「擬態語」の包摂した言葉です。
擬音語とは、物が発する音や声を真似て言葉にしたものです。
手拍子を「パチパチパチパチ」といったり、足音を「トコトコ」と言ったりする表現です。
擬態語は、状態や心の模様など、音のないものを音で表現することです。
落ち込んだ時に、「ガ~ン」といったり、笑顔を「ニコニコ」といったりします。
サビは、単純な言葉ですぐに覚えられるものが良いです。
いろんな曲を聴いていると、サビにオノマトペが使われていることがあります。
気をつけたいのは、何曲も使わないことです。
「また、このパターンか」とならないように、使いすぎには気を付けて下さい。
歌詞カードで遊ぶ
自分の好きな曲の歌詞カードを読んでみたら、歌と違う時があります。
ルビがふってあって、読み方が書いてあることもありますが、歌詞カードにこだわりをもつアーティストはルビがないので、びっくりすることもあります。
例えば、「地球」と書いてあるのに、歌では「ほし」と歌ったり、「宇宙」と書いて「そら」と歌ったりします。
当て字を使ったり、英語で歌っているのに、歌詞カードは漢字で表記されていたりと、遊び心は満載のアーティストは、たくさんいます。
まとめ
テクニックは気付かれないように使うのがプロです。
多用しすぎても、「またこのパターンか。」と飽きられることもあります。
諸刃の剣です。
本質は見失わないように、且つ、手は止まらないように歌詞を書き続けて下さい。
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